富裕層が調査の対象となるデプスインタビュー調査は、確かに一般的なデプスインタビューとは異なるというのが実感としてあります。特に富裕層対象でないと調査できないような話題の場合は、一言一言が貴重な話となるのでさらに重要性が増します。もちろんお金持ちだって水は飲みますし食事もする、家に冷蔵庫はあるでしょうし、普通に本も読みますが。
富裕層対象のデプスインタビュー調査の最大のポイントは、対象者を探すことに尽きるといっても過言ではないでしょう。ここは調査会社の方々は理解していただける点が多いと思いますが、富裕層になればなるほど、「デプスインタビュー調査を引き受ける理由」から遠ざかります。遠ざかるどころか「まったく引き受ける必要がない」といってもいいんじゃないかと思います。調査会社は調査を行う会社ですから、調査を引き受けてくれる対象者の方々をよく「調査パネル」と称することが多いんですが、富裕層になればなるほど「パネルとして扱われる必要がない」傾向が顕著になります。が、10年前も現在も「なんとか富裕層調査パネルがつくれないものか」みたいな相談が後を絶ちません。ただいま現在の調査会社の商流や共通言語で考えたら、それは難しいということになる、と思います。
では、どうするか。とても簡単に言えば「調査というコンセプトをはずす」ということになるでしょう。調査関連のビジネスをしている方々にとっては耳の痛い話です。自らのレーゾンデートルにかかわりますからそれは当然です。しかしながら結局のところ富裕層を対象としたデプスインタビューの最終目的は何か?と突き詰めて考えれば「調査対象者となってくれる富裕層の皆様の意見を集約する、その意見からなんらかのヒントを得る」ということになるはずで、「調査そのものではない」のです。
ズバリ言えば、「従来の調査という形をつくる」を前提とせず、「正直な意見を聞ける形をつくる」に専念する。これが富裕層を対象としたデプスインタビュー調査の基本となるでしょう。仕事なのでどうしても「調査という形式」にとらわれがちですが、最終目的を考えれば「世間話の延長」という機会を創出する、くらいの気持ちで取り組んだ方がよっぽど目的には合致すると思います。
調査のための調査から脱して、パネルという言葉、すなわち、容易に囲い込むことができるということを連想させる言葉を使わず、対象者が提供してくれた時間に、対象者の望む形でお返しする。謝礼がひとつに決まっている段階で「もはやそれは調査のための調査」に過ぎません。一般的な欲への執着が薄い富裕層の方々が求めるものは選択肢、その程度は「いわなくてもやってよ」と思われていることだと思います。そこに社会貢献活動を含めておくといいでしょう。
当社グループは、多数の富裕層デプスインタビュー調査の実績を有しており、ケースに応じた現実的で最適な調査設計をお客様とディスカッションさせていただいた上で実査に入っていくことを信条としております。
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