イタリアが2018年2月に公表した一律課税策は、国内に居住する富裕層に対し、所得水準にかかわらず納税額を一律で年10万ユーロ(約1,300万円)にするというものだ。アメリカ、ロシア、ノルウェー、イギリス、スイス、オランダなどの資産家が、この税制に関心を示していて、イタリアの経済財務省高官ファブリツィオ・パガーニ氏によれば、数億ユーロ超の資産を持つ富裕層など約150人から問い合わせがあったという。
イタリアは景気回復の加速が思うように進んでおらず、海外の富裕層の誘致を積極的に進めている。ポルトガルなどの国では、富裕層に対する税制優遇策の導入により財政再建に成功している例があるためだ。
パガーニ氏は、一律税制策の導入によって海外富裕層のイタリア移住が進み、ミラノ、ベネチア、アルプスの麓の湖畔地域などの富裕層の数が増えることで、景気回復につながると考えている。
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